設定ファイルの解説


先頭に#が記述されていればコメントと判断します.
設定項目の名称は大文字小文字を区別しますので注意してください.

env.ini

動作モードを規定します.
[設定項目]:[設定内容] のように書きます.

mode (デフォルト:0)

0:通常モード
1:通常モード+波形サンプリングモード(この機能はβ版です)
2:通常モード+GPSモード(GPSはキットに含まれていません)

shape (上級者オプション デフォルト:0 ※この機能はβ版です)

modeで1を指定されていて,なおかつshapeに0が指定されていると,波形のピーク時電圧と波形の積分値がPCにUSB接続されている場合に限り,PC側に出力されます.
この際,PC側はシリアル接続できるターミナルエミュレータ(Tera Term やハイパーターミナル,puttyなど)を起動させておく必要があります.
Windowsの場合,mbedのWindows Serial Port driverもインストールする必要があります.(http://mbed.org/handbook/Windows-serial-configuration)
この機能はプロフェッショナルユースですので,通常お使いいただく際にはおすすめできません.
shapeが1に指定されると,積分する前の波形データも出力されます.

updateinterval (デフォルト:10)

計測結果を,アカウントのある各種ネットワークサービスに投稿する,投稿間隔を分単位で指定します.
3を指定すると3分間隔で計測結果をネットワーク上に投稿します.
計測数値の信頼性向上のためにも,必ず1以上の整数を指定して下さい.
また,投稿先の制限により一定以下の間隔では投稿できないことがあります.
Pachubeは3分以下の間隔での投稿は原則,認められません.

updatetype (デフォルト0)

計測結果を,アカウントのある各種ネットワークサービスに投稿する,投稿先を指定します.
supertweetの利用登録情報は twitter.cfgに,pachubeの利用登録情報は pachube.cfgにそれぞれ別ファイルとして記録し,保存して下さい.
投稿先はどちらか一方に限られます.二箇所同時に投稿はできません.

0:ネットワークに対し結果を投稿しません.
1:ツイッター (twitter.com)に結果を投稿します.投稿に際して,事前にtwitterとsupertweet.netの利用登録が必要となります.
2:Pachube (www.pachube.com)に結果を投稿します.投稿に際して,事前にPachubeでの利用登録が必要となります.

sound (デフォルト0)

0::音を鳴らしません.
1:放射線を検知した際に「ピッ」と電子音を鳴らします.

firmware_update_interval (デフォルト0)

ファームウェアの更新チェックの間隔を指定します.指定する数字の単位は時間(hour)です.

0:ファームウェアの更新チェックを行いません.
24:24時間毎に新しいファームウェアがないか,fwserverで指定されたURLを自動的にチェックします.

timezone (デフォルト:9)

地域のタイムゾーンを指定します.日本標準時は通常,GMT(グリニッジ標準時)+9時間ですので,日本だと通常 9 を指定します.

fwserver (デフォルト:http://diytec.web.fc2.com/mark2r2/firmware/)

ファームウェアの自動アップデート機能を使う際,最新のファームウェアが置かれているサーバーのURLです.

init_stabilize_time (上級者オプション デフォルト:30)

電源投入直後は大きな値が出るため,起動後の一定時間表示を抑える機能があります. この表示をさせない時間を秒単位で指定します.

cpm_array_max (デフォルト:10)

液晶画面表示用cpm,μSv/hの値を計算する移動平均のスライド時間(分)を指定します.デフォルトでは10分(600秒)です.
この値はネットワークに対し結果を投稿しない(updatetype:0)設定で10以下を設定したときのみ有効となります.

long_cpm_array_max (デフォルト:60)

長い間隔でcpm,μSv/hの値を計算する移動平均のスライド時間(分)を指定します.これで計算された値はpachubeへの投稿(updatetype:2)データとして利用できます.

GMInterrupt (上級者オプション デフォルト:17)

GM管からの信号が接続されているmbedのピン番号です.

LED (上級者オプション デフォルト:23)

LED(発光ダイオード)のアソード(+)側端子が接続されているmbedのピン番号です.

Buzzer (上級者オプション デフォルト:22)

ブザーの+極側端子が接続されているmbedのピン番号です.

GPStx (上級者オプション デフォルト:13)

GPSモジュール(今回のキットには含まれていません)を接続する際の,rx端子が接続されているmbedのピン番号です.
注意:GPSモジュールの接続はGPS側のrxにmbed側のtxが,GPS側のtxにmbed側のrxが接続されるようにして下さい.

GPSrx (上級者オプション デフォルト:14)

GPSモジュール(今回のキットには含まれていません)を接続する際の,tx端子が接続されているmbedのピン番号です.

gmtype (上級者オプション デフォルト SBM-20.ini)

Mark2に装着されているGM(ガイガー・ミュラー)管の特性情報が書かれた個別の設定ファイルを指定します.
ファイル名は8文字+拡張子3文字の制限があります.

gmtype:SBM-20.ini とあれば,mbedのフラッシュメモリ内にある SBM-20.ini を呼び出し,そのファイルに指定されたGM管の特性情報を読み出して動作に反映させます.
mark2は,キットに含まれるSBM-20以外のGM管でも動作することを想定して作成されています. gmtypeは,そういったGM管を装着した際,GM管の固有特性を記載しておくためのタグです.

初期値

#
#Geiger Tube type
gmtype:sbm-20.ini
#
#Servery value update interval(min)
updateinterval:10
#
#updatetype 0=none 1=Twitter 2=Pachube
updatetype:0
#
#Firm up interval (hour)
firmware_update_interval:24
#
sound:0
#
timezone:9

sbm-20.ini

本キットで使用しているGM管のパラメータを記述しているファイルです.
通常,初期値のままでも問題ありませんがキャリブレーション可能な場合は適切な数値に変更してください.

別のGM管を使う場合はこの項を参考に作成してください.

cariburation (上級者オプション デフォルト:254.9)

通常使用するGM管の特性数値です.cpm値とuSv/h 値を変換するための数字です.
デフォルトはSBM-20の数字を使っています.
この数字はGM管を別のものにした場合,変更する必要があります.

voltage (上級者オプション デフォルト:380)

Mark2がGM管にかける電圧(単位V)を指定します.GM管の仕様にあわせて指定します.

offset_usv (上級者オプション デフォルト:0)

比例計測における傾き補正のために,0cpm時のuSv/hを便宜的に設定するための数値です. 通常は0にしておいて下さい.

cpm0 (上級者オプション)

比例計測における傾き補正のために,ある線量下で測定したGM管でのcpm値(Mark2の表示)を設定します.
cpm0,uSv0,cpm1,uSv1を全て設定すると,cariburationとoffset_usvを自動計算し,比例計測時に使用します.

uSv0 (上級者オプション)

比例計測における傾き補正のために,ある線量下で別のガイガーカウンタで測定したμSv/h値を設定します.

cpm1 (上級者オプション)

比例計測における傾き補正のために,ある線量下で測定したGM管でのcpm値(Mark2の表示)を設定します.

uSv1 (上級者オプション)

比例計測における傾き補正のために,ある線量下で別のガイガーカウンタで測定したμSv/h値を設定します.

初期値

cariburation:129.032
voltage:380
offset_usv:-0.032

2点キャリブレーション

校正されたガイガーカウンタ(γ線のみ計測できる機器)と校正に用いる試験核種(ランタンのマントル,無水炭酸カリウム(炭酸カリウムK2CO3)など)を用意してください.
cpm0とcpm1にはMark2のLCDに表示されるcpm値を書き,uSv0とuSv1には較正に用いるガイガーカウンタの表示する値を入力します.
Mark2のmini USBポートをmini USBケーブルでPCに接続してするとUSBのメモリのフォルダが現れますのでその中のファイルを編集します.

自己放電によるノイズとその時のバックグラウンド放射線によるカウント値,またその時の値のμSv値.
放射線受けた時の放射線のカウント値と,同条件で他の信頼性のある機器で測ったμSv/h値.

これらを2点キャリブレーションレます.

使用するGM管の.injファイル(デフォルトenv.iniで gmtype:SBM-20.ini と指定しています)の中で

cpm0:XX
uSv0:YY
cpm1,:PP
uSv1:QQ

2点キャリブレートの結果を記述した例

voltage:380
cpm0:12
uSv0:0.061
cpm1:28
uSv1:0.185

cariburation:,offset_usv:に記述されている数値は無視されます.

β線とγ線の両方を計測する場合はMark2からアルミ管を取り除いて,較正するために用いる機器の方もβとγを計測するモードで較正してください.またpachubeにアップするデータはβとγを両方計測している旨,明確にタグに記載してください.

キャリブレーションの例 (2011.09.28追加)


iniファイルの組み合わせ

iniファイルで大抵のパラメータをフレキシブルに設定して立ち上がってくるようになっていますが全てのパターンを検証したわけではないので組み合わせによっては不具合が起こるかも知れません.その時はソースコードを見てデバッグしていただければと存じます.デフォルトで使う分には特別不具合が出ないように務めています.あまりに工夫した場合はこの限りではありません.という仕様となっています.超フレキシブルな仕様になっています.メモリが32kと非常に少ないのでそのへんを考慮してデバッグしていただけると不具合の原因もつかめると思います.


GPSレシーバの接続方法

独自拡張の手引きとして,本キットのファームウェアにGPSを使うためのプログラムが少しだけ組み込んであります.
使ってみたい方は,次の情報を元に機能拡張してみてはどうでしょうか.

RS-232Cの入出力(TTLレベル,出力電圧0V〜 3.3V)があるGPSモジュール(例:GT-720等)を入手する.
(GPSモジュールの通信設定は4800bps,パリティなし,データ長8ビット,ストップビット1)
mbedのシリアルピン(tx:13番ピン,rx:14番ピン)と接続する.
mbedのコンソール出力をUSB経由でパソコンで表示できるように,USBシリアルドライバをインストールする.
(ドライバはmbed.orgからダウンロードしてください)
env.iniファイルのmodeオプションを「mode:2」に変更する.
GPSが衛星を捉える場所に設置する.
GPSデータがmbedのコンソール出力から表示されることをパソコンで確認する.


(参考)他のGM管について

GM管は種類毎に特性が違います.例えばJ408はサイズが大きいですが,SBM-20に比べて放射線をより多く計測できます.またCI-3BGは低線量下では反応が悪いため,高線量を測定する場合に使うほうがいいでしょう.


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